中国電力の遺産~旧江尾発電所と匹見発電所

経済
スポンサーリンク

中国電力には残しておきたい電力遺産ともいえる発電所やダムがたくさんあり、それらは一見の価値があります。

特に明治や大正に造られた発電所やダムは周りに景色の美しさも手伝って優雅さのゆえにロマンを感じさせる雰囲気を醸し出しています。

では、中国電力が所有する一度は見ておきたい発電所やダムのいくつかをご紹介したいと思います。

スポンサーリンク

旧江尾発電所

その一つは鳥取県にある旧江尾発電所です。この建物は1919年に建設された石造りの発電所です。

この造りは現存するもの中では非常に数少ないものの一つです。昭和52年まで運転されていて、米子方面に電力が提供されていました。

90年前に建設されたため大変古く感じますが、しかし西洋建築の様式がいたるところに組み入れられていて、アーチ型の曲線窓は美しさを感じさせます。

ルスティカ仕上げと呼ばれる石材による重厚な造りに目を奪われてしまいます。この発電所は最近、屋根を金属板に吹きかえましたが、それまでは瓦ぶきの屋根となっていました。これはキングポスト・トラスという西洋の屋根構造を採用した貴重なものでした。

この発電所を建設したのは山陰電気と呼ばれる会社で、当初の出力は1000キロワットの水力発電所でした。次に紹介したいのは同じ鳥取県にある三滝ダムです。このダムは日本国内において最後に造られたバットレス構造になっています。これは格子状のコンクリートの構造物が水壁を鉄筋コンクリートで支える方式のダムです。このダムを造ったのは山陽水力電気と呼ばれる会社です。山奥にあったこのダムを建設するためには大変多くの困難が伴いました。森林鉄道を利用して運んだり、時には馬や牛に牽引させるということもあったそうです。

匹見発電所

次に注目したいのは匹見発電所です。その発電所の建物は非常に美しく、まるで教会堂のような洋風建築の発電所です。

非常に貴重な建造物であり、歴史的景観に寄与しているために平成27年に国の登録有形文化財に登録されています。澄川発電所についても触れておきたいと思います。これは島根県益田市にありますが、モダニズム建築を感じさせる作りとなっている発電所です。この発電所を建設したのは日本発送電です。発電所がある匹見川は広大な流域で、しかも水量も多く、そして急流であるいった様々な要因のゆえに水力発電所としてはうってつけの場所と言えました。そして昭和18年にこの発電所を建設し運転が始まりました。この発電所の本館もやはり非常に美しく残しておきたい景観であるということで国の登録有形文化財に登録されています。広島にある深山変電所も一度は見ておきたい造りの発電所です。重厚な石造りで対象ロマンを感じさせる建築様式となっています。この発電所を作ったのは広島電燈でした。大正7年のことでしたが、電気の需要が大変増えたため、それに対応するために作られたものです。この発電所は今でも運用されていますが、見るに値する価値がある発電所といえます。中国電力はたくさんの歴史的価値のある建物を所有しています。建物好きな人は見るだけでも癒されるはずです。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました