腕立て伏せは、自身の体重を利用して上半身の筋力を鍛える非常に効果的なトレーニング方法です。しかしながら、腕立て伏せができないと悩んでいる人々も多いでしょう。
腕立て伏せができない原因は、主に以下の3つに分けられます。
- 筋力不足
- 体重過多
- 正しいフォームの欠如
これらの原因と、それぞれの解決策について見ていきましょう。
筋力不足
筋力不足の原因には、加齢、運動不足、疾患、栄養不良などが考えられます。筋力不足の兆候には、次のようなものがあります。
- 転倒しやすい
- 立ち上がる際に手を使う必要がある
- ペットボトルの蓋が難しく感じる
- 長時間立ちっぱなしの姿勢が辛く感じる
- 猫背の姿勢が楽な気がする
- すぐに疲れが出る
- 足がむくみやすい
筋力不足は転倒や骨折、寝たきりなどのリスクを高めるばかりでなく、生活習慣病や心血管疾患などの発症にも関連しています。そのため、筋力不足を予防することは、健康で快適な生活を送るために重要です。
筋力不足を予防する方法としては、バランスの取れた食事と適度な運動がおすすめです。食事では、タンパク質やカルシウムなどの筋肉や骨の健康に必要な栄養素を適切に摂取しましょう。運動に関しては、パワフルな速筋を鍛える筋トレが効果的です。速筋は年齢とともに減少する傾向があるため、定期的な刺激が重要です。
筋力不足の場合、腕立て伏せで主に使用される筋群である大胸筋、上腕三頭筋、腹筋が十分に発達していないため、体を支えたり持ち上げたりすることが難しくなります。
筋力不足を解消するために、以下のようなトレーニングが効果的です。
- 壁腕立て伏せ:壁を支点にして行う腕立て伏せは、地面よりも負荷が低くなります。フォームや体の使い方を練習するのに適しています。
- 膝つき腕立て伏せ:膝をついて行う腕立て伏せは通常のものよりも負荷が軽く、大胸筋や上腕三頭筋に効果的です。
- プランク:腹筋や体幹を鍛えるトレーニングであり、腕立て伏せの姿勢を維持する力を向上させます。
- リバースプッシュアップ:椅子やベッドなどの高さを利用して行うトレーニングで、上腕三頭筋に刺激を与えるのに役立ちます。
- インクライン腕立て伏せ:手を高い位置に置いて行うトレーニングで、大胸筋の下部に集中的な負荷をかけられます。
これらのトレーニングは、自身のレベルに合わせて調整しつつ、正しいフォームと連続的な呼吸に気をつけながら行いましょう。
筋力不足は、放置すると深刻な問題になりかねません。しかし、早期に対処すれば改善する可能性もあります。食事と運動に気を付けて、筋力低下を防ぎましょう。
体重が重すぎる
体重が重すぎる原因は、主に以下の2つに分けられます。
- 過剰なカロリー摂取
- 運動不足
過剰なカロリー摂取とは、自分の消費カロリー以上に食事や飲み物からカロリーを摂取することです。消費カロリーとは、基礎代謝や活動代謝などで消費されるエネルギーのことです。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余ったカロリーは脂肪として体に蓄積されます。その結果、体重が増加します。
運動不足とは、身体活動量が少ないことです。身体活動量とは、歩く、走る、階段を上るなどの運動や日常生活で行う動作のことです。身体活動量が少ないと、消費カロリーが減ります。また、筋肉量も減少しやすくなります。筋肉量が減ると、基礎代謝も低下します。基礎代謝とは、安静時に消費されるエネルギーのことです。基礎代謝が低下すると、摂取カロリーが消費カロリーを上回りやすくなります。その結果、体重が増加します。
体重が重すぎると、様々な健康問題につながります。例えば、以下のようなものがあります。
- 高血圧
- 高血糖
- 高コレステロール
- 心臓病
- 脳卒中
- 糖尿病
- 肥満
- ぜんそく
- 睡眠時無呼吸症候群
- 関節痛
- うつ病
これらの健康問題は、生活の質を低下させたり、命に関わったりすることもあります。そのため、体重が重すぎる場合は、早めに対策を取ることが必要です。
体重を減らす方法としては、以下のような方法が有効です。
- 食事の見直し:食事は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが重要です。摂取カロリーを減らすためには、食事の量や質を見直しましょう。特に、糖質や脂質の多い食品は控えめにしましょう。
- 有酸素運動:有酸素運動は、脂肪を燃焼させる効果があります。歩く、走る、自転車に乗るなどの運動を、週に3回以上、1回30分以上行いましょう。
- 睡眠の質向上:睡眠は、代謝やホルモンのバランスに影響します。睡眠不足は、食欲を増やしたり、脂肪の分解を妨げたりすることがあります。そのため、毎日6~8時間程度の睡眠をとりましょう。
体重を減らすことは、簡単なことではありません。しかし、健康のためには、努力する価値があります。自分に合った方法で、無理なく続けられるようにしましょう。
体の使い方が正しくない
体の使い方が正しくないとは、腕立て伏せのフォームが崩れていることをいいます。フォームが崩れると、筋肉に効果的に負荷をかけられませんし、ケガのリスクも高まります。
フォームが崩れる原因は、主に以下の3つに分けられます。
- 筋力不足
- 知識不足
- 意識不足
筋力不足とは、腕立て伏せに必要な筋力が足りないことです。筋力不足の場合は、体を支えたり持ち上げたりすることができず、背中や腰が崩れたり、肘が開いたりします。筋力不足を解消する方法は、前述したように、壁で腕立て伏せや膝つき腕立て伏せなどのトレーニングを行うことです。
知識不足とは、正しいフォームや呼吸法などの基本的な知識がないことです。知識不足の場合は、手の位置や肘の角度などが適切でなかったり、呼吸を止めたりします。知識不足を解消する方法は、前述したように、鏡やスマホのカメラなどで自分の姿勢を確認したり、友人や家族に見てもらったりすることです。また、インターネットや書籍などで正しいフォームや呼吸法などを学ぶことも有効です。
意識不足とは、自分のフォームや呼吸法に注意を払わないことです。意識不足の場合は、速く終わらせようとして速度を上げたり、疲れてきたらフォームを崩したりします。意識不足を解消する方法は、前述したように、ペースを調整したり、バリエーションを変えたりすることです。また、自分の目標や理由を明確にしてモチベーションを高めることも大切です。
正しいフォームを保つためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 手の位置:手を肩幅よりもやや広めに置き、指を前方に向けます。手首や肘に過度の負担がかかるのを避けるためです。
- 肘の角度:肘を体に沿って曲げるよう心掛けましょう。肘が開き過ぎると、本来の筋肉が適切に使われなくなります。
- 背中と腰の姿勢:背中と腰をまっすぐ保ち、腹筋を緊張させて体幹を安定させます。正しい姿勢でないと、トレーニング効果が低くなるだけでなく、怪我のリスクも高まります。
- 胸の位置:胸を床から拳一つ分程度下げるよう心がけましょう。十分な幅を確保しつつ、過度に深く下ろすことを避けます。
- 正しいフォームの確認:自分のフォームが正しいかどうかを確認する方法は、鏡やスマホのカメラなどを使って自分の姿勢を見ることです。また、友人や家族に見てもらってアドバイスをもらうことも有効です。
- ペースの調整:腕立て伏せは、速く行うよりもゆっくりと行う方が効果的です。速く行うと、筋肉に十分な負荷がかからなかったり、フォームが崩れたりする可能性があります。一回の動作を2~3秒かけて行いましょう。
- バリエーションの変更:腕立て伏せには、様々なバリエーションがあります。手の位置や幅、足の位置や高さなどを変えることで、筋肉への刺激や難易度を変えることができます。自分のレベルに合わせて、チャレンジしてみましょう。
まとめ
腕立て伏せは、自重を使って上半身の筋力を鍛えるトレーニングですが、できない人も多いです。腕立て伏せができない原因は、筋力不足、体重が重すぎる、体の使い方が間違っているの3つです。これらの原因に対する解決法は、以下のようなものです。
- 筋力不足:壁で腕立て伏せや膝つき腕立て伏せなどの負荷の軽いトレーニングを行う。
- 体重が重すぎる:食事の量や質を見直し、有酸素運動を行い、睡眠の質を向上させる。
- 体の使い方が間違っている:鏡やスマホのカメラなどで自分のフォームを確認し、ペースやバリエーションを調整する。
腕立て伏せは、正しいフォームで行えば、上半身の筋力や体型を改善することができます。ぜひ、この記事を参考にして、腕立て伏せに挑戦してみてくださいね!