生理中は、体調不良や経血漏れなどの心配から、運動を避けることが望まれるかもしれません。
しかしながら、適度な運動を生理中に行うことには、生理痛の軽減やストレス解消などの利点があります。
その中でも、気軽にできるウォーキングがおすすめです。今回は、生理中のウォーキングのメリットとデメリットについて解説します。
生理中のウォーキングのメリット
血行促進による生理痛の緩和
ウォーキングは、全身の筋肉を使うことで血行を促進します。血行が良くなると、子宮や骨盤内の血液やリンパの流れも改善し、子宮内膜がスムーズに排出されやすくなります。また、プロスタグランジンという物質の分泌も抑制されます。これらの効果により、生理痛が軽減される可能性があります。
生理痛は、子宮内膜の剥がれや子宮収縮によって引き起こされます。子宮内膜の剥がれ時には、プロスタグランジンという物質が大量に分泌されます。この物質は子宮を収縮させる作用があり、同時に痛みや発熱を引き起こす作用もあります。また、子宮収縮によって血液やリンパの流れが悪くなり、酸素や栄養素の供給不足や老廃物の蓄積が生じます。これらが生理痛の悪化を引き起こす原因となります。
ウォーキングによって血行が良くなると、プロスタグランジンの分泌量が減少し、子宮収縮も穏やかになります。また、酸素や栄養素の供給が増え、老廃物の排出も促進されます。これらの効果により、子宮内膜がスムーズに排出され、炎症反応や酸素不足も改善されます。その結果、生理痛が和らぐ可能性があります。
ストレス解消と気分の向上
ウォーキングは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑える効果があります。また、運動によって脳内で快感物質であるエンドルフィンが分泌されます。これらの効果により、ストレスが解消され、気分が上がります。生理中はホルモンバランスの変化によってイライラや憂鬱な気分になりやすいため、ウォーキングで心身をリフレッシュすることが重要です。
生理周期やホルモンバランスの調整
ウォーキングは体温上昇の効果があります。体温は女性ホルモンの分泌に影響を与えるため、ウォーキングによって体温を上昇させることでホルモンバランスを調整することができます。ホルモンバランスが整うと、生理周期も安定しやすくなります。生理不順や月経前症候群(PMS)で悩んでいる人にとって特に有益です。
生理中のウォーキングに注意すべきデメリット
貧血や体調不良のリスク
生理中は経血によって血液や鉄分が失われ、貧血になりやすくなります。貧血になるとめまいや立ちくらみ、倦怠感などの症状が現れることがあります。ウォーキングは有酸素運動であり、貧血の場合には体に負担をかける可能性があります。また、ウォーキングによって汗をかくことで脱水症状が起こる可能性もあります。生理中のウォーキングは、自分の体調やペースに合わせて行い、無理をしないようにしましょう。また、鉄分や水分の補給も忘れずに行いましょう。
経血漏れや肌トラブルのリスク
生理中は経血漏れの心配があります。ウォーキングによって体を動かすことで、ナプキンのずれや経血量の増加の可能性があります。また、ナプキンと肌の摩擦や湿気によってかぶれやかゆみなどの肌トラブルが起こる可能性もあります。生理中のウォーキングでは、羽根つきで大きめのナプキンを使用したり、暗い色のボトムスを着用したりすることで経血漏れを防ぐことができます。また、ナプキンはこまめに交換することで肌トラブルを予防することができます。
まとめ
生理中のウォーキングには生理痛の緩和やストレス解消などのメリットがありますが、貧血や体調不良、経血漏れや肌トラブルなどのデメリットも存在します。生理中のウォーキングは、自分の体調やペースに合わせて行い、無理をせずに行いましょう。また、鉄分や水分の補給、ナプキンの交換などにも注意を払いましょう。生理中でも快適にウォーキングを楽しむために、これらのポイントを心掛けましょう。