仕事で一万歩を目標にしているけれど、なかなか痩せないという悩みについてお話しします。
仕事で一万歩を歩くことは、健康にもダイエットにも良いことですが、それだけでは痩せるのは難しいかもしれません。
なぜなら、歩くだけでは消費カロリーが少なく、摂取カロリーとのバランスが取れないからです。
では、どうすれば歩くことで効果的に痩せることができるのでしょうか?
そのコツは、歩くスピードと姿勢にあります。
歩くスピードがダイエットに影響する
歩くスピードがダイエットに影響するというのは、科学的にも証明されています。
ウォーキングの消費カロリーは、身体活動量(メッツ・時)×体重(kg)×1.05で簡易的に求めることができます。
メッツとは、身体活動の強度を表す単位で、歩く速度によって異なります。
例えば、平らで固い地面を時速4.0kmで歩行するときのメッツは3.0、時速6.4kmで歩行するときのメッツは5.0です。
つまり、同じ時間であれば、速く歩くほど消費カロリーが多くなるということです。
例えば、体重60kgの人が時速4.0kmで1時間歩いた場合の消費カロリーは、3.0×1×60×1.05で189kcalです。
一方、時速6.4kmで1時間歩いた場合の消費カロリーは、5.0×1×60×1.05で315kcalです。
このように、速く歩くだけで、消費カロリーが約1.7倍になるのです。
速く歩くことは本当にダイエットにいい?
しかし、速く歩くことが必ずしもダイエットに良いというわけではありません。
速く歩くことで、心拍数や呼吸数が上がり、運動強度が高くなります。
運動強度が高くなると、エネルギー源として脂肪よりも糖質が優先的に使われるようになります。
つまり、速く歩くことで、脂肪の燃焼効果が低下する可能性があるのです。
そこで、ダイエットに最適な歩くスピードは、自分の最大心拍数の60~70%に相当する心拍数で歩くことです。
最大心拍数とは、1分間に心臓が最大限に拍動する回数のことで、年齢によって異なります。
最大心拍数は、220から自分の年齢を引いた数で求めることができます。
例えば、30歳の人の最大心拍数は、220-30で190となります。
この人がダイエットに最適な歩くスピードで歩くときの心拍数は、190×0.6~190×0.7で114~133となります。
この心拍数で歩くときのスピードは、個人差がありますが、おおよそ時速5~6km程度になると考えられます。
このスピードで歩くと、おしゃべりができる程度の息切れ感があります。
このように、ダイエットに最適な歩くスピードは、自分の年齢や体力に合わせて調整することが大切です。
歩く姿勢がダイエットに影響する
歩く姿勢がダイエットに影響するというのも、事実です。
歩くときの姿勢が悪いと、全身の筋肉を効率よく使えず、脂肪の燃焼効果も上がりません。
また、特定の筋肉に負担がかかってしまい、ケガの原因にもなります。
歩くときの姿勢を正すためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 頭はまっすぐ前を向き、顎を引く
- 肩はリラックスして下げ、胸を張る
- 腹筋とお尻の筋肉を意識して締める
- 腕は90度に曲げて、前後に大きく振る
- 足は膝を伸ばしすぎず、踵からつま先にかけてしっかりと地面を蹴る
このように、正しい姿勢で歩くことで、全身の筋肉をバランスよく使い、消費カロリーを増やすことができます。
歩くリズムやタイミングにも気をつけよう
しかし、姿勢を正すだけではなく、歩く際にもう一つ気を付けるべきことがあります。
それは、 歩くリズムやタイミングです。
歩くリズムやタイミングがダイエットに影響するというのは、科学的にも証明されています。
歩くリズムとは、歩幅や歩数など、歩くペースのことです。
歩くリズムが一定でないと、心拍数や呼吸数が乱れ、運動効率が低下します。
また、歩くリズムが速すぎると、糖質の消費が優先され、脂肪の燃焼効果が減少します。
歩くリズムを一定に保つためには、 歩く際にメトロノームや音楽などを聴くと良いとされています。
メトロノームや音楽は、一定のテンポやリズムを与えてくれるため、歩くペースを安定させる効果があります。
歩くタイミングとは、一日の中でいつ歩くかということです。
歩くタイミングによっても、ダイエット効果に違いが出るという研究結果があります。
朝食前にウォーキングを行うのがおすすめ
研究によると、 朝食前にウォーキングを行うと、朝食後の血糖値の上昇が抑えられるということがわかりました。
血糖値の上昇が抑えられると、インスリンの分泌が減り、脂肪の蓄積が防がれます。
また、朝食前にウォーキングを行うと、体内のエネルギー源として脂肪が優先的に使われるということもわかりました。
つまり、朝食前にウォーキングを行うことで、脂肪の燃焼効果が高まるということです。
このように、歩くリズムやタイミングに気を付けることで、歩く効果を高めることができます。
歩くだけでなく筋トレも必要な理由と効果的な方法
歩くことは、健康にもダイエットにも良いことですが、それだけでは痩せるのは難しいかもしれません。
歩くことで消費するカロリーは、歩く速度や時間、体重などによって異なりますが、一般的には時速5kmで1時間歩いた場合、約300kcal程度です。
一方、摂取するカロリーは、食べる量や種類によっても大きく変わりますが、例えば、カレーライス(大盛り)1皿で約800kcal、チョコレート1枚で約60kcalです。
つまり、歩くことで消費したカロリーを補うには、カレーライスの1/4皿分、チョコレートの5枚分で十分ということになります。
これを見ると、歩くだけではカロリーの摂取と消費のバランスが取れないことがわかります。
では、どうすれば歩くことで効果的に痩せることができるのでしょうか?
そのコツは、歩く以外にも必要な運動と食事のバランスにあります。
歩く以外にも必要な運動とは?
歩く以外にも必要な運動とは、筋力トレーニングや有酸素運動など、歩くとは異なる種類の運動です。
筋力トレーニングとは、筋肉に負荷をかけて強化する運動のことで、ダンベルやバーベルなどの器具を使ったものや、自重を使ったものなどがあります。
筋力トレーニングを行うと、筋肉量が増えるとともに、基礎代謝が上がります。
基礎代謝とは、安静時に消費するカロリーのことで、筋肉量が多いほど高くなります。
つまり、筋力トレーニングを行うことで、歩く以外の時間にもカロリーを消費しやすくなるということです。
有酸素運動とは、酸素を使ってエネルギーを作り出す運動のことで、ジョギングやサイクリング、水泳などがあります。
有酸素運動を行うと、心肺機能が向上するとともに、脂肪の燃焼効果が高まります。
有酸素運動は、歩くよりも高い強度で行うことが多いため、消費カロリーも多くなります。
ただし、強度が高すぎると、糖質の消費が優先されるため、脂肪の燃焼効果が低下する可能性があります。
そのため、有酸素運動は、自分の最大心拍数の60~70%に相当する心拍数で行うことが望ましいとされています。
歩く以外にも必要な食事のバランスとは?
歩く以外にも必要な食事のバランスとは、カロリーの摂取量と質に気を付けることです。
カロリーの摂取量とは、食べる量や種類によって決まるエネルギーのことで、消費カロリーとのバランスがダイエットの成否を左右します。
消費カロリーとは、基礎代謝や運動などによって消費するエネルギーのことで、個人差がありますが、一般的には1日に約2000kcal程度です。
つまり、カロリーの摂取量が消費カロリーを上回ると、余ったカロリーが脂肪として蓄積されることになります。
逆に、カロリーの摂取量が消費カロリーを下回ると、脂肪がエネルギーとして使われることになります。
そのため、ダイエットをするには、カロリーの摂取量を消費カロリーよりも少なくすることが必要です。
ただし、カロリーの摂取量を減らすときには、栄養バランスにも注意する必要があります。
栄養バランスとは、五大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)の摂取量と質のことで、身体の機能を維持するために必要です。
カロリーの摂取量を減らすときには、五大栄養素の摂取量と質を保つことが重要です。
たとえば、たんぱく質は筋肉の材料になるだけでなく、満腹感を高める効果もあります。
そのため、カロリーの摂取量を減らすときには、たんぱく質をしっかりと摂ることがおすすめです。
たんぱく質が豊富に含まれる食品としては、肉や魚、卵、大豆製品などがあります。
脂質は、エネルギー源や細胞膜の構成要素になるだけでなく、必須脂肪酸や脂溶性ビタミンの摂取にも必要です。
そのため、カロリーの摂取量を減らすときには、脂質を適切に摂ることが大切です。
脂質には、良質な脂質と悪質な脂質があります。
良質な脂質とは、不飽和脂肪酸を多く含む脂質のことで、血液の流れを良くしたり、コレステロール値を下げたりする効果があります。
良質な脂質が豊富に含まれる食品としては、魚やナッツ、オリーブオイルなどがあります。
まとめ
仕事で一万歩を歩くことは、健康にもダイエットにも良いことですが、それだけでは痩せるのは難しいかもしれません。
歩くスピードと姿勢に気を付けて、消費カロリーを増やしましょう。
また、歩くことだけでなく、食事や睡眠などの生活習慣も大切です。
バランスの良い食事を摂り、十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにしましょう。
仕事で一万歩を歩くことは、ダイエットの一つの手段です。
それを継続することで、健康的に痩せることができるでしょう。