ウォーキングは健康やダイエットに効果的な運動として人気がありますが、一日にどれくらい歩くのが理想的なのでしょうか。
厚生労働省によると、健康のための日常生活における目標歩数は男性が9,200歩、女性が8,300歩を目標にすることが推奨されていますが、それ以上に2万歩の距離を歩くことは、より効果的なのでしょうか。
それとも、歩きすぎになってしまうのでしょうか。
この記事では、2万歩の距離や消費カロリー、歩く時間などについて解説します。
また、2万歩の距離を歩くことのメリットやデメリット、注意点などについても紹介します。
2万歩の距離は何キロ?
2万歩の距離は、歩幅や速度によって異なりますが、一般的には約14kmと言われています。これは、成人の平均的な歩幅が約70cmとされていることに基づいて計算されたものです。
2万歩の距離を計算する式は次のようになります。
例えば、身長が170cmの人の歩幅は、身長の0.45倍とされるので、約76.5cmとなります。この人が2万歩歩いた場合の距離は、以下のようになります。
つまり、この人は約15.3km歩いたことになります。身長が高い人や歩幅が大きい人は、2万歩でより長い距離を歩くことになります。
歩幅と身長の関係
歩幅とは、歩くときに足を開く幅のことです。歩幅は、身長や体型、歩く速度や姿勢などによって個人差がありますが、一般的には、身長の0.45倍が目安とされています。
歩幅と身長の関係を計算する式は次のようになります。
例えば、身長が160cmの人の歩幅は、以下のようになります。
つまり、この人の歩幅は約72cmとなります。身長が低い人や歩幅が小さい人は、2万歩でより短い距離を歩くことになります。
2万歩の距離を計算する方法
2万歩の距離を計算するには、歩幅を知る必要があります。歩幅は、身長から推測することもできますが、より正確に知るには、実際に測ることがおすすめです。
歩幅を測る方法は、以下のようになります2。
- 平らな場所で、自然な姿勢で立ちます。
- 足のかかとの位置に印をつけます。
- 普通に歩いて、10歩ほど進みます。
- 最後に足を止めたときのかかとの位置にも印をつけます。
- 2つの印の間の距離を測ります。
- 測った距離を歩いた歩数で割ります。
- その結果が1歩あたりの歩幅となります。
例えば、10歩歩いて、7mの距離を進んだ場合、歩幅は以下のようになります。
つまり、この人の歩幅は約70cmとなります。この歩幅を使って、2万歩の距離を計算することができます。
2万歩の消費カロリーはどれくらい?
2万歩の消費カロリーも、体重や速度によって異なりますが、一般的には約800kcalと言われています。これは、体重60kgの人が普通の速度で歩くと、1kmあたり約60kcal消費するということに基づいて計算されたものです。
2万歩の消費カロリーを計算する式は次のようになります。
例えば、体重が50kgの人が2万歩歩いた場合の消費カロリーは、以下のようになります。
つまり、この人は約420kcal消費したことになります。体重が重い人や速く歩く人は、2万歩でより多くのカロリーを消費することになります。
体重や速度の影響
2万歩の消費カロリーは、体重や速度によって大きく変わります。体重が重いほど、同じ距離を歩くのにより多くのエネルギーが必要になります。速度が速いほど、同じ時間でより多くの距離を歩くことができます。
体重や速度による消費カロリーの違いを表にまとめてみました。
体重(kg) | 速度(km/h) | 消費カロリー(kcal) |
---|---|---|
50 | 3 | 420 |
50 | 4 | 560 |
50 | 5 | 700 |
60 | 3 | 504 |
60 | 4 | 672 |
60 | 5 | 840 |
70 | 3 | 588 |
70 | 4 | 784 |
70 | 5 | 980 |
この表からわかるように、体重が10kg増えると、消費カロリーは約20%増えます。速度が1km/h増えると、消費カロリーは約25%増えます。つまり、体重や速度が大きく影響することがわかります。
2万歩の消費カロリーを計算する方法
2万歩の消費カロリーを計算するには、距離と体重と速度を知る必要があります。
距離は、歩幅と歩数から計算することができます。歩幅は、身長から推測することもできますが、より正確に知るには、実際に測ることがおすすめです。
歩幅を測る方法は、前述の通りです。
速度は、歩行時間と距離から計算することができます。歩行時間は、歩数計やスマートフォンなどのアプリで測ることができます。速度を計算する式は次のようになります。
例えば、2万歩歩いて、14kmの距離を3時間で歩いた場合、速度は以下のようになります。
つまり、この人の速度は約4.7km/hとなります。この速度を使って、2万歩の消費カロリーを計算することができます。
2万歩は歩きすぎ?
2万歩を歩くことは、健康やダイエットにとって良いことなのでしょうか。それとも、歩きすぎになってしまうのでしょうか。
答えは、人によって異なります。2万歩を歩くことは、一部の人にとっては適切かもしれませんが、大抵に人には多い歩数と言えるかもしれません。
いつも自分自身の体調や体の様子を確認し、ふさわしい運動量を見つけることが大切です。
2万歩を歩くことのメリット
2万歩を歩くことのメリットは、以下のようなものが挙げられます。
- 心臓や血管の健康に良い影響を与える
- 肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防につながる
- ストレスを発散する
- 骨や関節の強化に役立つ
- 腰痛や肩こりの改善に効果的である
2万歩を歩くことのデメリット
厚生労働省は、一日に8,000〜10,000歩程度を目指すことを推奨しています。
これらの歩数は適度な運動量と生活習慣病の防止につながるからです。ここから考えると、2万歩は推奨される歩数の2倍にあたります。
「2万歩 歩きすぎ」で検索すると、デメリットになるものとして以下の点が見つかりました。
- 正しい姿勢や歩き方をしていないと、腰痛や背中痛、股関節痛・膝痛などに悩むことになりかねない
- 免疫力低下や関節への負担などのリスクも高まる
- 疲労が蓄積しやすく、睡眠不足やストレスになる
- 過剰な運動は食欲を増進させ、摂取カロリーが増える可能性がある
- 筋肉量が減少し、基礎代謝が低下する
これらのデメリットを避けるためには、2万歩を歩く場合は、以下のような注意点を守る必要があります。
- 歩く前には準備運動をして、筋肉や関節をほぐす
- 歩くときには正しい姿勢と歩き方を心がける
- 歩く速度や距離は自分の体力に合わせて調整する
- 歩いた後にはクールダウンやストレッチをして、疲労回復を促す
- 歩く量に応じて水分や栄養の補給をする
- 歩く時間を睡眠時間や休息時間とバランスよく配分する
健康やダイエットにはどのくらい歩くのが最適か?
健康やダイエットにはどのくらい歩くのが最適かという問いにも、一概には答えられません。なぜなら、歩く効果は、個人の体重や体脂肪率、歩く速度や距離、歩く頻度や時間などによって異なるからです。
しかし、一般的には、1万歩程度が目安と言えます。
1万歩は、約7kmの距離に相当し、約400kcalのカロリーを消費します4。これは、一日のエネルギー消費量の約20%にあたります。
また、1万歩は、一日に必要な運動量の約60%にあたります。これらの数値からわかるように、1万歩は、健康やダイエットには十分な歩数と言えます。
もちろん、1万歩以上歩くことで、より多くのカロリーを消費したり、より高い運動効果を得たりすることは可能です。
しかし、それには、より高い体力や意志力が必要になります。
また、歩きすぎによるデメリットも考慮しなければなりません。そのため、無理をせず、自分に合った歩数を見つけることが大切です。
2万歩を歩くときの注意点
2万歩を歩くときには、以下のような注意点を守ることが大切です。
- 無理せずマイペースで行う
- 空腹時や食事直後は避ける
- ウォーミングアップとクーリングダウンを行う
- こまめに水分補給をする
- 天候や環境に応じた服装やシューズをする
まとめ
2万歩の距離を歩くことは、一部の人にとっては適切かもしれませんが、一般的にはかなり多いと言えます。
2万歩を歩くことは、心臓や血管の健康に良い影響を与えたり、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防につながったりするメリットがありますが、正しい姿勢や歩き方をしていないと、腰痛や背中痛などの痛みや、免疫力低下や関節への負担などのリスクも高まります。
また、疲労が蓄積しやすく、睡眠不足やストレスになったり、食欲が増進してカロリー摂取が増えたり、筋肉量が減少して基礎代謝が低下したりするデメリットもあります。
2万歩を歩く場合は、無理せずマイペースで行い、空腹時や食事直後は避け、ウォーミングアップとクーリングダウンを行い、こまめに水分補給をし、天候や環境に応じた服装やシューズをするなどの注意点を守る必要があります。
健康やダイエットには、1万歩程度が目安と言えますが、無理をせず、自分に合った歩数を見つけることが大切です。ウォーキングを楽しみながら、健康的な生活を送りましょう。